初心者でも根魚が釣れる穴釣り入門!タックルと釣り方のコツ

こんにちは、まさるです!

「何か新しい趣味を始めたいな」「自然の中でリフレッシュしたいけど、何から手をつければ…」そんな風に感じている方、結構多いんじゃないでしょうか。ぼくも昔はそうでした。そんなあなたに、ぼくが心からおすすめしたいのが、今回ご紹介する「穴釣り」です!

「釣り」と聞くと、高価な道具をたくさん揃えたり、難しい技術が必要だったり、なんだかハードルが高いイメージがありませんか?でも、穴釣りは全く違います。防波堤にあるテトラポッドや岩の隙間に、仕掛けをそっと落とすだけ。本当に、ただそれだけでいいんです。

それでいて、釣れる魚はカサゴやメバル、ソイといった根魚(ねざかな)たち。彼らは市場では高級魚として扱われることも多く、その味は格別!自分で釣った新鮮な魚で作る煮付けや唐揚げの味を一度知ってしまったら、もうやみつきですよ。

この記事は、単なる情報の羅列ではありません。穴釣りにどっぷりハマったぼく自身の成功体験はもちろん、たくさんの失敗から学んだ「こうすれば良かった!」という反省点まで、全ての経験を詰め込んだ、あなただけの「穴釣りの教科書」です。必要な道具の詳しい選び方から、釣果を2倍、3倍にアップさせるための具体的なコツまで、どこよりも分かりやすく解説します。

この記事を読み終える頃には、穴釣りの魅力と手軽さに、きっと心を奪われているはず。さあ、一緒に奥深くて最高に楽しい「穴釣り」の世界へ、第一歩を踏み出しましょう!

穴釣り入門!まずは道具と安全装備を揃えよう

そもそも穴釣りって?手軽で美味しい魚が釣れる魅力

「穴釣り」という言葉を初めて聞いた方もいるかもしれませんね。一言でいうと、防波堤を守るために積まれたテトラポッドや、自然の岩がゴツゴツしている場所にある「隙間」や「穴」を狙う、とてもシンプルな釣り方です。

なぜ魚がそんな隙間にいるのか?それは、魚たちにとってテトラの隙間が最高の「隠れ家」だからです。外敵から身を守り、強い潮の流れを避けることができる、まさに一等地のマイホームなんですね。そこに、ぼくたちが「ご飯ですよー」とエサを届けてあげるイメージです。

遠くに力いっぱい投げる必要がないので、釣りの経験が全くない方はもちろん、女性やお子さんでも気軽に挑戦できるのが最大の魅力。しかも、ほぼ一年中楽しめるので、「次の休み、何をしようかな」と思ったらいつでも行けるのも嬉しいポイントです。

そして何より、釣れる魚が美味しい!定番の「カサゴ」は淡白で上品な白身で煮付けに最高ですし、「メバル」は”春告魚”とも呼ばれる春の風物詩。ソイやアイナメといったパワフルな引きを楽しませてくれる魚たちも、食卓の主役になれる実力派ばかりです。

命を守る最重要アイテム!ライフジャケットは絶対着用

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道具の話の前に、これだけは何度でも言わせてください。釣り場では、必ず「ライフジャケット」を着用してください。これは、穴釣りのルール以前に、海で遊ぶための絶対的なお約束です。

テトラポッドは一見すると穏やかに見えても、急な波が来ることもありますし、濡れた海苔で足を滑らせる危険も常にあります。万が一、海に落ちてしまった時、パニックになってもライフジャケットが体を浮かせて、あなたの命を守ってくれます。

ライフジャケットには、ベストのように常に浮力がある「固形式」と、紐を引くか自動で膨らむ「膨張式」があります。動きやすさで言えば膨張式が優れていますが、初心者の方はまず、メンテナンス不要で確実に浮いてくれる「固形式」のベストタイプを選ぶと安心ですよ。ファッション性の高いものもたくさん出ているので、お気に入りの一着を見つけてください。

テトラは滑る!足元を固める専用シューズの選び方

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ライフジャケットと並んで、安全装備の要となるのが「靴」です。普段履いているスニーカーは絶対にNG。乾いたアスファルトでは最高のグリップを発揮するゴム底も、濡れて海苔やコケが付着したテトラの上では、スケートリンクのようにツルツル滑ってしまいます。

ぼくが強くおすすめするのは、靴底がフェルト素材になっている「フェルトソール」の磯靴です。このフェルトが、濡れた面の細かな凹凸にしっかりと食い込み、驚くほどのグリップ力を生み出します。これを知ってから、ぼくはもうスニーカーでテトラに乗るなんて考えられなくなりました。

さらに、岩場や土の斜面も歩くことを想定するなら、フェルトに金属のピンが付いた「フェルトスパイクソール」も良い選択です。自分の行く釣り場の環境に合わせて、最適な一足を選んでください。足元が安定すると、心にも余裕が生まれて釣りに集中できますよ。

竿とリールはコレでOK!穴釣り専用タックルの紹介

さて、いよいよ釣りの道具、「タックル」選びです。専門用語が出てきますが、一つ一つ解説するので安心してくださいね。

  • 竿(ロッド)
    • 穴釣りでは、長さが1m〜1.2mくらいの短い竿が圧倒的に有利です。短いことで、狭いテトラの隙間でも正確に仕掛けを送り込めます。
    • 硬さは、少し硬めのものがおすすめです。なぜなら、魚がエサに食いついた瞬間に、巣穴に潜り込もうと抵抗するからです。その力に負けずに、魚を穴から一気に「引き剥がす」ためのパワーが必要なんです。ふにゃふにゃの柔らかい竿だと、魚の力に負けて根に潜られてしまいます。
  • リール
    • 竿に合わせて、小型で軽いものを選びましょう。特におすすめなのが「両軸リール(またはベイトリール)」です。
    • スピニングリールでも釣はできますが、構造上、糸がヨレやすいという弱点があります。両軸リールは糸をまっすぐ巻き取るので、糸のトラブルが少なく、クラッチ操作で片手で簡単に糸を送り出せるので、もう片方の手で体を支えながら安全に釣りができるという大きなメリットがあります。
  • 糸(ライン)
    • 糸は、壁や岩に擦れることに強い「ナイロンライン」の3号という太さを選びましょう。30m〜50mも巻いてあれば十分です。
    • ナイロンラインは適度な伸びがあるので、魚が急に強く引いた時もその衝撃を吸収してくれ、ラインが切れるのを防いでくれます。値段も手頃で扱いやすい、まさに初心者のためのラインです。

仕掛けは「ブラクリ」だけじゃない?釣果を伸ばす工夫

釣り人と魚を繋ぐ最も重要な部分が「仕掛け」です。釣具屋さんに行けば「ブラクリ」という、オモリと針が一体になった便利な仕掛けがたくさん売っています。最初はこれで全く問題ありません。

でも、ここでもう一歩踏み込んで、釣果と効率を上げる工夫をご紹介します。それは「オモリと針を別々に使う」という方法です。

穴釣りでは「根掛かり(仕掛けが岩などに引っかかってしまうこと)」は宿命です。ブラクリ仕掛けだと、根掛かりで失うたびにオモリと針の両方を失いますが、別々にしておくと、針だけが岩に掛かって針だけを失う、というケースが増えます。高価なオモリのロストを大幅に減らせる、お財布に優しいテクニックです。

「自動ハリス止め」という小さなパーツを使えば、針の交換も一瞬で終わります。寒い日にかじかんだ手で糸を結ぶのは本当に大変なので、この便利さは一度体験すると手放せなくなりますよ。

エサで釣果が変わる!おすすめのエサと付け方のコツ

魚の食欲を刺激する「エサ」。何を使うかで釣果が大きく変わることもあります。代表的なエサを表にまとめたので、それぞれの特徴を掴んで使い分けてみてください。

エサの種類 メリット デメリット 付け方のコツ
イソメ・ゴカイ類 生きているので動きで魚に強くアピールできる。食い込みも抜群。 見た目が苦手な人も。動きが激しいとすぐに弱ってしまう。 針に数回通す「縫い差し」で。頭の硬い部分にしっかり刺すと長持ちします。
サバ・イカの切り身 身が硬くエサ持ちが良い。フグなどのエサ取りに強い。安価で手に入りやすい。 生き餌ほどの動きはない。 こちらも縫い差しが基本。皮が付いている面から刺すとさらに外れにくいです。
オキアミ 多くの魚が好む万能エサ。集魚効果が高い。 非常に柔らかく、すぐに取れてしまう。エサ取りの格好の標的。 尻尾から針を入れ、頭の硬い部分に向けてまっすぐ刺すと少し持ちが良くなります。

ぼくのイチオシは「サバの切り身」です。安くて、どこでも手に入り、エサ持ちも良い。まずはここから始めて、その日の魚の反応を見ながら他のエサを試していくのが良いと思います。

【あると超便利】快適に釣りをするための小物たち

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最後に、これらは必須ではないけれど、持っていると釣りが何倍も快適で安全になる「縁の下の力持ち」的な小物たちを紹介します。

  • 手袋(グローブ):テトラを掴んで移動する時や、魚のヒレから手を守るために。根掛かりした糸を安全に切る時にも役立ちます。
  • ハサミ・プライヤー:糸を切るハサミと、魚から針を外すプライヤーはセットで。魚の口は硬く、トゲも鋭いので素手で針を外すのは危険です。
  • フィッシュグリップ:魚の口を安全にガッチリと掴める道具です。手を汚さずに写真撮影もできますよ。
  • タオル:濡れた手を拭いたり、魚を掴む時に使ったりと、何かと重宝します。
  • ヘッドライト:朝早くや夕方の良い時間帯を狙うなら必須です。両手がフリーになるので、暗い中での作業が格段に楽になります。
  • 小型のクーラーボックス:釣れた美味しい魚を、新鮮なまま家に持ち帰るために。飲み物を冷やしておくのにも使えますね。

これらをコンパクトなショルダーバッグやウエストバッグにまとめておけば、機動力が命の穴釣りで非常にスムーズに動けます。

実践編!釣果を倍増させる穴釣りのコツと釣り方

基本の釣り方「落として待つ」だけ!簡単3ステップ

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さあ、装備が万全になったらいよいよ海へ!穴釣りのアクションは本当にシンプル。この3ステップを覚えるだけです。

  1. 仕掛けを優しく落とす
    • 狙いを定めたテトラの隙間に、仕掛けをそっと落とし込みます。この時、リールのスプール(糸が巻いてある部分)に親指を軽く添えながら落とすと、糸の出るスピードを調整でき、途中で魚が食いつく微かなアタリも感じ取ることができます。
  2. 底に着いたら、少し待つ
    • 糸の出が止まったら、それが「着底」の合図です。そこからすぐに動かすのではなく、5秒から10秒ほど、じっと我慢して待ちましょう。魚がエサに気づき、警戒しながら近づいてくるための「間」を作ってあげるイメージです。
  3. 軽く誘いをかける
    • アタリがなければ、竿先を20cmほど、すっと持ち上げて、またゆっくり下ろしてみてください。この「リフト&フォール」で、底でじっとしていたエサがフワッと動き、隠れていた魚に「お、なんだ?」と興味を持たせ、思わず口を使わせるきっかけになります。

この「落とす→待つ→誘う」をワンセットとして、アタリがなければ次の穴へ、というリズムで探っていきましょう。

アタリと合わせのタイミングは?竿先の動きに注目

釣りで最もドキドキする瞬間、それが魚からの反応「アタリ」です。アタリには大きく分けて2種類あることを知っておくと、釣果がぐっと上がります。

  • 前アタリ:「コンコンッ」「ツンツン…」
    • これは、魚がエサの端っこを突っついたり、様子を見たりしている段階のサインです。ここで慌てて竿を上げてしまうことを「早合わせ」と言い、ほとんどの場合、針が魚の口に掛からずすっぽ抜けてしまいます。まるでドアをノックされているようなもの。まだ焦ってはいけません。
  • 本アタリ:「グーッ!」「グググッ!」
    • 竿先が大きく、そして力強く引き込まれるのが本アタリです。これは魚がエサを完全に咥えて、安全な自分の巣穴に持ち帰ろうとしている証拠。ドアノブをガチャリと回された瞬間です!このタイミングで、手首を返すように「クイッ」と竿を小さく、しかし鋭く持ち上げます。これが「合わせ」の動作。これで硬い魚の口にしっかりと針を突き刺すことができます。

このアタリの違いが分かってくると、穴釣りはもっともっと面白くなりますよ!

釣果アップの秘訣は「とにかく深く、そして狭く」

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周りの人が釣れていないのに、自分だけが釣れる。そんな状況を生み出すための秘訣は、「深く」そして「狭く」攻めることです。

  • とにかく深く
    • テトラポッドは、まるで海中の巨大なジャングルジムです。水面から見えているのはそのほんの一部。仕掛けが一度底に着いたと思っても、それはまだ中二階かもしれません。そこからさらにシェイクして誘うと、コロン、とオモリが転がり落ちて、さらに深い「本当の底」にたどり着くことがあります。大物ほど警戒心が強く、光の届きにくい深い場所に潜んでいることが多いのです。
  • とにかく狭く
    • 誰が見ても仕掛けを入れやすそうな広い穴は、当然、たくさんの釣り人に攻められて魚がスレている(警戒している)可能性が高いです。「え、こんな隙間に入るの?」と思うような、竿先一本しか入らないタイトな穴こそ、お宝が眠る未開拓ポイント。竿の操作は難しくなりますが、ライバルが狙わない場所を攻める勇気が、思わぬ大物との出会いを引き寄せます。

釣れない時の対処法!ランガンで効率よく探ろう

一つの穴で3回誘いをかけても全く反応がない…そんな時は、その穴に固執せず、潔く次の穴を探しましょう。テンポよく、足を使って広範囲を探っていくこのスタイルを「ラン&ガン(Run & Gun)」と言います。

魚がいる穴であれば、大抵の場合、仕掛けを落として1〜2分以内に何らかの反応があります。それ以上粘っても釣れる確率は低いと考え、「この家の住人はお留守のようだ」と割り切ってどんどん移動しましょう。

穴釣りは、ある意味で「宝探し」や「家探し」に似ています。たくさんのドアをノックした人ほど、当たりに出会える確率が高まるのです。一つの場所でじっと待つのではなく、自ら魚を探しに行く積極性が釣果に繋がります。

1匹釣れたらチャンス!同じ穴は魚のマンションかも

もし、ある穴で1匹釣れたら、それは「大当たり」のサインです!すぐに仕掛けを整えて、もう一度同じ穴にそっと落としてみてください。

カサゴなどの根魚は、居心地の良い場所を見つけると、そこに複数匹で集まって暮らす習性があります。ぼくはそんな場所を親しみを込めて「カサゴマンション」と呼んでいます。1匹釣れたということは、そのマンションの住人にご挨拶できたということ。

同じ穴を集中して狙うことで、2匹目、3匹目と連続で釣れる「数釣り」が楽しめる可能性があります。また、その時は釣れなくても、時間を置いてから再度訪れてみると、警戒心が解けた魚がまた口を使ってくれることもあります。釣れた場所は、地図アプリなどで記録しておくと良いですよ。

【まさるの反省】根掛かりさせないための注意点

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ここで、ぼくが初心者の頃に何度も涙を飲んだ「根掛かり」について、少し詳しくお話しします。根掛かりをゼロにすることは不可能ですが、減らすことと、上手に対処することはできます。

まず、根掛かりを減らす一番のコツは、仕掛けが底に着いた後、糸を張りすぎず、緩めすぎずの状態をキープすることです。糸を完全に緩めてしまうと、潮に流されて仕掛けが岩の裏側に回り込んでしまったりします。

もし根掛かりしてしまったら、絶対にやってはいけないのが、力任せに竿をガシャガシャと煽ること。これをやると、余計に深く針が食い込み、最悪の場合、大切な竿を折ってしまいます。

まずは、軽く竿先を揺すってみる。ダメなら、立ち位置を左右に少し変えて、引っ張る角度を変えてみる。それでも外れない時は、残念ですが仕掛けを諦めましょう。竿をリールごと一直線にして、糸を直接タオルなどを巻いた手でゆっくりと引っ張って切ります。これが、竿を守るための唯一の方法です。

未来のために!小さな魚は優しくリリースしよう

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最後に、釣り人として最も大切にしてほしい心構えについてです。穴釣りでは、まだ手のひらサイズの可愛らしい魚が釣れることも少なくありません。

根魚は、広い海を回遊する魚と違って、成長が遅く、決まった場所で一生を過ごすことが多い魚です。そのため、小さな魚まで全て持ち帰ってしまうと、その場所の魚が本当にいなくなってしまい、未来の楽しみを自ら奪うことになってしまいます。

地域によってルールは異なりますが、カサゴなら15cm、ハタの仲間なら20cmに満たないような小さな魚は、「大きくなってまた会おうな!」と声をかけて、優しく海に帰してあげましょう。その際、乾いた手で魚体をベタベタ触ると魚は火傷してしまうので、手を海水で濡らしてから触るか、フィッシュグリップを使ってあげてください。

そして、持ち込んだゴミは必ず持ち帰る、釣り場を汚さない、という基本的なマナーを守ること。この素晴らしい遊びを、次の世代、またその次の世代まで繋いでいくために、釣り場と魚への感謝と敬意を忘れないでくださいね。